将棋は守るよりも「どんどん攻めたい」「鋭い一手を放ちたい」そんな風に考える人は多いかもしれません。
私も攻めている時の方が楽しいです。
ならばさっさと守って攻めようということになりますが、この記事では最速で囲える囲いについて解説していきます。
「中住まい(なかずまい)」という囲いは最速で1手で完成しますが、その囲いの特徴と注意点を説明します。
特に将棋の初心者が棒銀で攻めるときに、居玉を避けてほしい、そしたらもっと勝ちやすいですよ!という思いを込めて書きました。
また囲いの考え方の基本についても触れました。
よかったら参考にしてください。
居玉だと
やられちゃうんだな
王手飛車
季語はないけど思いの入った俳句ね…。
最速で完成する囲い「中住まい」とは?
「中住まい」とはこんな囲いです。(第1図)
第1図
玉を一つ上に上がった状態を言いますので最短一手で完成します。
ちょうど5筋の真ん中に玉がたたずんでいるようにみえるので「中住まい」と言われているようです。
この囲いはプロでも使用されていて、「相掛かり(あいがかり)」という戦型でよく出てきます。(第2図)
第2図.「相掛かり」の一例
相掛かりは、飛車のいる2筋や8筋が戦場になりやすいので、横からの攻めに備えています。
初心者が棒銀で攻めるときは「居玉」を避けて「中住まい」に
将棋会館などで子供と指すと、よく「居玉棒銀」が出てきます。その名の通り居玉で棒銀戦法を使ってくる攻め方です。
子供は将棋を指すテンポがとても速いです。私が指した直後に指すので、私もテンポが速くなって悪手を指す・・なんてこともありました。
攻めるの大好き。
でも「居玉」は避けてせめて「中住まい」にしてほしいです。その方がずっと勝ちやすいから。
居玉を避けて「中住まい」にするメリットは3つです。
- 1手で完成
- 王手飛車を防げる
- 玉の上の3枚の歩にひもがつく
1手で完成
先程も説明したように、中住まいは1手で完成します。それ以外は攻めに専念できます。
「居玉」と比べるとだいぶ負けにくくなりますので、1手だけ我慢しましょう。
王手飛車を防げる
皆さんも経験はあると思いますが、居玉だと王手飛車がかかりやすいです。(第3図)
第3図
これをやられるとなぜかその日は1日中メンタルが回復しないんですよね。将棋の七不思議とでも言いましょうか・・。
玉の上の3枚の歩にひもがつく
玉の上の3枚の歩は初期位置では孤立しています。
玉を一つ上がっておくことで、その3枚の歩にひもがつく(玉と歩が連携する)ので上部の攻撃に事前に備えておくことが出来ます。そうすると桂馬の詰み筋などでいきなり負けた、ということが少なくなります。(第4図)
第4図.桂馬を打たれて敗北の図
桂馬を打たれたあと「あっ!えっ!」って言っちゃうのよね
囲い方の基本
将棋の習いたての人は初めは棒銀戦法+中住まいでどんどん攻めていくのでいいのですが、戦法によって囲いを変えていくのがおすすめです。また相手の陣形によっても変えていくと序盤で勝ちやすいです。
ここでは囲い方の基本について見ていきます。
囲い方の基本は「相手の飛車からなるべく遠い位置で自分の玉を囲う」ことです。
理由は飛車の攻める筋で戦いが起こりやすいからです。
また、「玉飛接近すべからず」という将棋の格言もあるように、自分の玉と味方の飛車も離れた位置の方がいいです。
そのようなことを踏まえて、将棋の戦法は「居飛車(いびしゃ)」「振り飛車(ふりびしゃ)」の大きく2つに分けることが出来ます。
- 居飛車:飛車を初期位置(先手でいうと2筋)で戦う戦法
- 振り飛車:飛車を(先手でいうと)5~8筋に振って攻める戦法
です。
第5図.居飛車vs居飛車の例(矢倉囲い)
第6図.振り飛車vs居飛車の例
図5は矢倉囲い(やぐらがこい)の例ですが、自分の王様と飛車が離れて位置しています。
図6は振り飛車と居飛車の戦いですが、自分の王様と飛車は離れていますし、自分の王様と相手の飛車も離れています。この場合ですと、盤面の左側で戦いが起こることが多いです。
戦法書には、
- この攻め方にはこの囲いがいいですよ
- 相手がこのように陣形を組んだら、また別の囲いがいいですよ
などが詳しく書かれています。
「最速の囲いとは?」まとめ
この記事では、
- 「中住まい」とはどんな囲いか?
- 棒銀で攻めるとき、居玉は避けましょう
- 囲い方の基本
について説明しました。
そうかそうか、じゃあ一手目に中住まいにして…
なら私は飛車を真ん中に振るわ。
えーっ、ずるーい。
相手の手を見ながら指さないとね!
プロ間では居玉で戦いを起こすことが時折見られますが、深い読みがあってのことですので、私たちはマネしちゃいけませんね。
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