2023年10月、全タイトルを手に入れ、藤井聡太八冠が誕生しました。
そんなニュースを見ていたお父さん、お母さんも
「うちの子も、もしかしたら・・」
なんて子供の将来を夢見る方もあるかもしれません。
そんな将棋を子供に教えたいお父さんお母さんに向けて、記事を書いてみました。
将棋を教えるとき、特にご両親が子供に教える際に気をつけた方がいいことの九箇条です。
八冠王に、オレはなる!
まぁ、がんばって・・
将棋初心者への教え方九箇条
九箇条はこちらです。
一、頭ごなしに叱り飛ばさない
将棋は「指して楽しい!」が一番大事です。せっかく楽しさを知り始めたのに叱り飛ばしてしまっては、キラキラした子供の目がどんより灰色になってしまいます。
親「『銀』は横に行けないって何度言ったらわかるんだ!」
子「うえーん」
分かる人から見るとヤキモキする気持ちはわかります。
でも段階的にステップアップ出来るように見守ってあげましょう。
二、子供との約束は必ず守る
学童で指導員をしていますが、よくこんなことがあります。
子供「遊ぼー」
私「今トランプやってるから、それ終わってからね」
子供「うん」
この単語を発したとき、その子供との約束は文字通り死守するようにしています。
「出来ない約束はしない、約束したら必ず守る」
これをやらないと子供との信頼関係はいっぺんに崩れますのでご注意下さい。(出来なかったときは謝っています)
親「いい子にしてたら買ってあげるよ」
子「わーい」
(ショッピングモールにて)
子「将棋の本は?」
親「二時から開店セールね!ちょっと待って」
(・・・二時間後)
子「将棋の本は~」
親「時間がないからまた今度ね~」
子「ええーー!」
子供さん、結構覚えていますよ。
三、子供の将棋に興味を持つ
子供の趣味に興味を持たなきゃいけないからって、親も将棋の勉強をする必要はありません。
子供の話を聞いてみて下さい。
親「あらよかったわね。将棋ウォーズってなに?」
子「将棋のオンライン対戦だよ。そうそう、それでね~・・・」
少しでも興味持ってくれると子供は嬉しいものです。
(大人も同じですけどね)
四、子供に服従を強制しない
私も家庭教師では「高校に行きたいのなら、勉強中スマホは置きなさい」と強く言うことはあります。
でもそれは子供が望むことを達成してやりたいからの思いです。
「将棋を楽しみたい」という子供に、親の都合を押し付けるのは違うように思います。
子「振り飛車がいい・・」
親「ダメ!居飛車にしなさい!」
極端な例ですが、子供の自主性を重んじて接してください。
五、兄弟やよその子と比較しない
兄弟やよその子と比較されるのは結構傷つきます。
それよりも、「昔と比べてだいぶ成長したな!」って褒めてあげてくださいね。
比較するのは、他人ではなく、その子の過去と今です。
子「おう、もっと頑張るぜ!」
「成長した」は重要なキーワードのようです。
有名なマンガ『ドラゴン桜』にもそのセリフの意味が解説されています。
六、子供の努力や頑張りを褒める
もちろん結果も大事です。
「受験で落ちたけど、頑張ったからまあいいや」なんて受け入れられません。
しかし結果だけ褒めると、楽して結果を得ようという思考になってしまうかもしれません。
努力するのは大変ですから、楽をしたいのはみんな同じ。
それでも頑張る。正しい努力の上で得られる結果が一番大事です。
親「でも毎日詰将棋頑張ったじゃない」
子「・・まあね(詰将棋また続けようかな)」
運動会で1番取ったこともうれしいですが、1番取るためにどれだけ努力してきたか、そこを褒めてもらう方が子供はずっと嬉しいです。
なぜそんなことが言えるのかって?
自分だったらどっちが嬉しいか、考えてみれば明らかだと思います。
七、自分の勝ち負けばかり考えない
将棋は基本個人プレーです。
勝ち負けにこだわるのも大事ですが、
「オレの勝ち!お前の負け!ざまーみろ」
だけではちょっと虚しいです。
社会に出たら他人と協力しなければ何にも出来ません。
将棋であれば、自分が勝っても負けた相手にどうすれば勝てたか、一緒に考えてみましょう。
相手の立場に立つことは、いつでもどこでも大切な心がけです。
八、大人(夫婦)でも仲良くする
子供は大人のことをよく見ています。
学童で、私ともう一人の職員がUNOに加わったとき、
「大人対決だ!どっちが勝つかなー」
とはやしたてます。
子供の心としては、「ふだん仲良くしなさいと言っている大人同士は仲良くしてるのかな~?」
という心境かもしれません。
例えば、
- 将棋大会の運営で、大人がケンカしている
- 夫婦でケンカしている
子供は「ふ~ん」って冷めた目で見ています。
ときには言葉で注意するよりも、行動で示したほうが子供の心に入ることがあります。
九、「自分だったらこんな教え方されたくない」ような教え方はしない
将棋でなくても、「自分がされたら嫌なことは相手にはしない」は、他者とうまくやっていくための基本だと思います。
将棋では相手の嫌がる指し手が最善手になることが多いのですが・・(笑)。
以上の九つは『子供の心(二木克明著)』という本に書かれている「我が子の非行化を防ぐ二十箇条」を将棋に当てはめて抜き出したものです。(ドキッとしました?)
私は家庭教師もしていますが、これは勉強を教えるときにも当てはまります。
「私も気をつけないといけないな」と日々反省です。
まとめ
この記事では、
『将棋初心者への教え方九箇条』について解説しました。
私は将棋を指すことはあくまで手段と考えています。
将棋を指すことで、
- 楽しみたい
- ワクワクしたい
- 友達増やしたい
- 地道な努力の大切さを知る
(教え子作:アーニャもどきのドヤ顔、だそうです)
いろんなことが体験できます。
極論言うと、別に将棋でなくてもいいんです。やりたいことが目移りする子もたくさんいますから、好きなことを取り組んでいっぱい成長してもらえたらと思います。
最後に、以上の九箇条は『将棋を知らなくても出来ること』です。
世のお父さん、お母さん、どうぞご安心を。
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