将棋の段位・級の取り方はどうすれば?の疑問にお答えする記事です。昔は道場の認定での段級位の取得が主でしたが、現在は81dojoや将棋ウォーズのオンライン対戦での取得が可能です。
私も将棋ウォーズで1、2級の免状、次の一手問題で初段の免状を取得しました。
また、この記事を読むと級位者の方はちょっと自信がつく仕様になっています。事実に基づいて級位者の立ち位置を解説していきます。
級位者ってまだまだのイメージがあって…。
比較の問題よ。自信持ってね。
将棋の級位者とは?
将棋を指す人を「初心者」「級位者」「有段者」に分けて説明することが多いです。これは私なりの解釈です。
- 初心者:将棋を始めたばかりの人、駒の動かし方やルールがわかったくらい
- 級位者:戦法を覚えたり、詰将棋を解いたりして初心者を卒業した人。でも有段者にはかなわない。
- 有段者:プロ棋士の指し手の意味がわかる人
この3つに明確な線引はありません。棋力に絶対的な指標はなく、認定する所によってばらつきがあるためです。ちなみに私の棋力は表1の通りです。
表1
道場・アプリ | 段級 |
将棋倶楽部24 | 11級 |
東京将棋会館 | 4~5級 |
将棋ウォーズ | 1級→2023.11.24:初段になりました |
将棋クエスト | 1級 |
地方の道場 | 1級 |
81dojo | 初段 |
百鍛将棋 | 三段 |
明確に言えるのは、比べる条件が同じである限り「初心者<級位者<有段者」この不等号はひっくり返らないということです。
それでは以上をふまえて級位者は日本の中でどのくらいの位置なのか見てみましょう。(海外で将棋指す方もいますが、今回は日本だけにしています。ごめんなさいね)
あとプロ棋士は雲の上の人なので入れていません。。
2020年のデータで比較します。2020年の日本の人口は1億2600万人。将棋人口はレジャー白書2021によると530万人。将棋人口のうち有段者は数%なので、これらの情報を元にピラミッドを作ります(第1図)。
第1図
三角形の面積が人口割合。上に行くほど将棋の棋力が上がっていきます。まず将棋人口530万人は日本国民の4%です。4%の中の数%が有段者で、その下が級位者という位置づけになります。
級位者は「弱い」のか?「強い」のか?
よく「級位者」と聞くと、弱いイメージがあります。「級位者」と検索すると、一緒に「上達方法」などのワードがでてくるためです。
上達したいってことは、まだまだ弱いって思ってるわけね。
じゃ弱いのかな?
「有段者と比べれば弱い」と、一応は言えます。しかし第1図で三角形のピラミッドを図示しましたが、級位者の立ち位置は富士山(日本全体の人口)で言えばもう少しで頂上の位置です。
級位者は、有段者(特に初段)になりたいという思いの人が多いので、どうしても上ばかりを見がちです。上を見れば当然強い人しかいません。それで疲れてしまった人は、一度立ち止まって後ろを向いてみてください。
後ろには1億人の列が並んでいます。東京マラソンならぬ日本人マラソンで言えば、すでに1億人抜いて先頭集団を走っているような感じです。
確かに級位者は有段者よりは弱いですが、それ以外の人にはほぼ間違いなく勝ちます。勝つと言うかえぐいほど圧勝します。
本当に?
じゃ数字で説明するわね。算数の登場!
うへー。
数字で説明すると、将棋のプロ棋士の強さの指標に「レーティング」があります。これは正確には「イロレーティング」といって、チェスにも取り入れられています。
身近な将棋アプリで言えば将棋クエスト。将棋クエストでは段級の他にレーティングによる強さの指標も表示されます。
例えば、将棋クエスト3級の人のレートは1400~1500なので、平均1450。10級の人は1000~1100なので1050です。この2人が戦った場合、レートが400離れているので、3級の方の勝率は93%と計算できます。(本当は因果関係が逆で、93%勝つからレートが400差がつく)
100回戦って93回勝つのは理屈で、100回戦う人はよほど棋力ではなくて気力のある人です。実際は同じ人とやるのはせいぜい2~3局。2~3局ならほぼ全勝します。内容も映画の『エイリアン』くらいえぐい内容で圧勝します。
2級の子を持つお父さんと話をしたことがあります。学校の将棋教室では2級だと強すぎて周りの子が誰もかなわない、と。
なので、級位者でも一般の人と将棋指すというのは、超サイヤ人と一般の地球人が戦うようなものだからあまりえぐいことしちゃだめだよね、そんな内容です。
級位者は「弱い」のか?「強い」のか?の答えは、
- 強い人に対しては弱い(当たり前)
- 弱い人に対しては強い(当たり前)
- でも弱い人のほうが圧倒的に多い
です。
将棋の段位・級の取り方3つ(比較的取りやすいもの)
将棋の段位・級の取り方として、3つは「将棋ウォーズ」「81dojo」「NHKテキスト将棋講座次の一手」がおすすめです。
将棋アプリによる級の取り方
前者2つはオンライン対戦なので、戦って勝って目標の級になったらオンラインで申請ができます。「将棋ウォーズ」と「81dojo」どちらが申請しやすいかというと、私はウォーズ1級&81dojo初段なので(ウォーズの方がやや基準が厳しいか)、81dojoの方が級はとりやすいかもしれません。
第2図が私が取得した認定状です。えんじの厚紙(しっかりしてます)の中に認定状が入ってます。中身は取得してのお楽しみです。
第2図.級位者認定状
アプリのおすすめはどちらかというと、対局をたくさんしたいなら将棋ウォーズ(課金)。強くなりたいのなら81dojoです。
理由は、81dojoはしっかり考えて指せるからです。
- 81dojoは時間切れ後の秒読みがある(ウォーズにはない)
- 81dojoは最長持ち時間15分がある(持ち時間15分・秒読み60秒)
将棋ウォーズだと棋力に加えて、タイムマネジメントも勝利のための重要な要素になります。しっかり考えないである程度のところで指したほうが、相手の時間の消費を招き(相手は焦る→悪手を指す)勝ちやすい場合があります。
81dojoのように秒読みがあれば、その要素は薄れます。しっかり考えて指して、振り返りをするのがいいと思います。
NHKテキスト「将棋講座」の次の一手問題
毎月1回発行されるNHKテキスト「将棋講座」の次の一手問題で認定状が取得可能です。「将棋講座」は近所の本屋さんの雑誌コーナーに置いてありますので、興味のある方は探してみてください。
下記を見ればわかるように最低でも5か月は必要です。合計10問の正解数に応じて級位・段位が認定されます。定期的に雑誌を購入している人、気長にやれる人にはおすすめです。
認定までの流れは次の通り。
- 往復はがきに必要事項と解答を記入し、はがきを投函する(後日採点結果が返送されます)
- これを5か月間(計10問)連続で行う
- 採点された5枚のはがきがそろったら「採点はがき5枚」「返信用封筒」「氏名・電話番号・生年月日記入の別紙」を封筒に入れ、「NHK将棋講座申請係」へ郵送する
- 申請後、約2週間で段級位推薦状が届く
- 免状・認定状の申請をする(有料)
必要なものは
- 毎月の将棋講座テキスト
- 往復はがき5枚
- 封筒・切手
- 免状・認定状の申請費用
- 採点はがきを無くさないための整理整頓
- 続ける根気!
です。ぜひトライしてみてください。第3図は年末年始の次の一手問題で取得した認定状です。たしか20問くらいの解答の正解数で段級が決まったと思います。まだ将棋ウォーズ初段になっていないので、飾らずにビニル袋に入れています。
第3図.初段免状
将棋の段位・級の取り方まとめ
この記事では、
- 将棋の級位者とは?
- 級位者は「弱い」のか?「強い」のか?
- 将棋の段位・級の取り方3つ(比較的取りやすいもの)
を解説しました。あんまりストイックにやると疲れてしまいます。山登りでも今を楽しく登っていれば気がついたら頂上です。
楽しく頑張っていきましょう。
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