1局の将棋が終わった後の感想戦で、どのように指していたか覚えられないよ!という人に向けた記事です。
「どうやったら覚えられるか?」ですが、一言でいうと強くなると自然に覚えられるようになっていきます。
元も子もない話のように聞こえますが、その理由を脳の記憶の仕方から2つ説明します。
先に結論をお伝えしますと、
・序盤の定跡を身体で覚えるから(運動性記憶)
・中終盤では狙いをもって指すから(エピソード記憶)
です。
私も将棋ウォーズ1級、81dojo初段でまだまだ頑張らねばなりませんが、重要な局面ならほぼ覚えています。
この記事を読むと「自分も覚えられるようになるんだ」ということがわかります。
そして覚えられるまでのイメージも、私が初心者のときの思考も含めて記載しましたので、将棋を続けていく糧になっていただければ幸いです。
最初の飛車と角の位置が逆よ~。
あー!もっと強くならないと覚えられない!
それは関係ないっしょ。
強くなると自然に棋譜を覚えられる理由
ここでは、将棋が強くなると棋譜を自然に覚えられるようになる理由を2つ紹介します。
その2つは先ほど示しましたが、
- 序盤の定跡を身体で覚えるから
- 中終盤では、狙いを持って指すから
です。脳の記憶の仕方と合わせて説明していきますね。
理由1:序盤の定跡を身体で覚えるから
1局の将棋は3つの段階に分かれます。
- 序盤(じょばん)
- 中盤(ちゅうばん)
- 終盤(しゅうばん)
序盤は、攻めと守りの陣形を整えていきますが「定跡」というものが存在します。
例えば、好きなコにアタックするときの定跡は
- 押してダメなら引いてみろ
- 相手の立場に立って考える(盲目になりがちなので・・)
こんな感じでしょうか?
・・脱線しましたが、将棋では定跡を覚えて指した方が序盤で有利になりやすいので、将棋を指すのに慣れてきたら定跡も覚えてみましょう。
定跡の覚え方は
- 本を見て、なんとなく覚える
- 覚えたら、実戦で試す
- 間違えたら、本でもう一回確認!
これを繰り返すのが1番早いです
なぜなら覚える→試すを繰り返して身体で覚えるためです。
脳科学で言うと、頭で覚えるのを「意味記憶」、自分の運動神経を使った記憶を「運動性記憶」と言います。
2つの記憶の特徴は次のとおりです。
指で駒を動かして覚えるのは運動性記憶です。
よって、序盤を勉強して実戦を繰り返していけば自然と棋譜は覚えていき、同時に強くなっていきます。
理由2:中終盤では、狙いをもって指すから
次に中終盤です。
駒と駒がぶつかった時が中盤戦の始まりです。強い人は相手の手を見て、「この手はこういう狙いがあるな」ということがわかります。よって次のこちらの出番で相手の狙いを防ぐ手や相手よりも早く王様を捕まえるような手を選択して指します。そのまた次に相手もこちらの手を見て「そのような狙いならこう差しましょう」と言う具合に、一手一手意味をもった手を指していきます。
だから覚えられるのです。
「棋は対話なり」とも言いますね。
将棋以外の一例として、文字の羅列を覚えるテストを紹介します。何の脈絡もない文字を覚えるのは大変です。しかし、文字を関連付けて意味のあるものにすると覚えられます。例えば今Yahoo!のトップ画面に映っている10個の単語をランダムに抽出してみます。
- 初心者の頃は何の駒を動かしたらいいかわからず、とりあえず動かせる駒を前進させていました
- もう少し強くなったら、数の攻めや手筋を少し覚えてきたので、実戦で何を指したらいいのかがだんだんわかってきました。
- 今はまだウォーズ初段に満たないですが、相手の狙いがわかるようになってきました。わからない時はわかるまで考えます。それでもわからない時もあり、その時はボロ負けします。(相手の狙いを防げないから)
駒と駒がぶつかったり、詰む詰まないなどの重要な局面では、しっかり時間を使って考えます。読み抜けがないように、これを指したら有利になるだろうという未来を見据えて指します。なので重要な局面ほどよく覚えています。
- 手筋や攻め方を覚える
- 実戦で試す
- どこが良かったか悪かったかを振り返る
これを繰り返していくことで、攻め方の知識が増えて、実践で応用できるようになって、攻め方がわかれば、相手の攻め方もわかってきますので、相手の狙いもわかってきます。一手一手の意味がわかると、一局の将棋がストーリーとなります。「相手と自分が作った将棋がストーリー」ならば自然に覚えていきますね。
一朝一夕にはいきませんが、毎日鍛錬を繰り返していけば、気がついたら覚えているようになっていると思います。
感想戦が覚えられない!強くなると自然に覚えられる理由のまとめ
感想戦が覚えられない!強くなると棋譜を自然に覚えられるようになる理由を2つ解説しました。
序盤も中盤も終盤も、学ぶ、試す、修正するの繰り返しは変わりません。らせん階段を上がっていくように少しずつ腕を磨いて強くなっていきます。
ですから、誰でも努力すれば上達することが出来ます。「適性があるかどうか」「素質があるかどうか」よりも、「どれだけ続けられるか?」が強くなるための一番の要素だと思います。
大谷翔平も、生まれたときから筋肉もりもりだったわけではありません。本人もコマーシャルで「諦めずに練習をし続けたこと」と言っていますしね。
楽しく継続していきましょう!
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