負けると悔しいのはなぜでしょうか?特に将棋は負けると悔しいです。
一般的な事象と相対比較することによって、将棋を事例に負けると悔しい理由を掘り下げてみました。
また、負けを認めることで得られる利点を3つ紹介します。
最後にそれでもダメな時!についても記載しました。
記事を読むことで前向きになってくれると幸いです。
また負けた。悔しいよ~。
あーよしよし、悔しいよね。
ぐすん。ぶーっ!
あたしの着物に鼻水つけんな!
負けると悔しいのはなぜ?その理由4つ
「悔しい」を辞書で調べると『自分の行為に対して後悔する気持ち』とあります。
「負けて悔しい」が発生するメカニズムを将棋を例として具体的に見ていきましょう。
悔しい理由をまとめると、下記の4つと考えられます。
- 想定した未来に裏切られるから
- 相手を責められないから
- 自分の弱さを認めることだから
- 人間は優越性を求める生き物だから
負けると悔しい理由1:想定した未来に裏切られるから
理由その1は『想定した未来に裏切られるから』です。
もし圧倒的に強い人(将棋のプロ棋士)と平手で対局して負けた場合を想像してみます。
→負けて悔しいと思う人はあまりいません
同じくらいの強さの人と対局して負けた場合を思い返してみます。
→悔しい
では自分よりも弱い人と戦って負けた場合はどうでしょうか?
→(増幅された)悔しい!
人は意識するしないにかかわらず、対局する前に自分は勝てそうか、または負けそうかを予想しているようですね。
対局前に「負けそう」と思って負けた場合はあまり悔しさが出てきません。
逆に対局前に「勝てそうだ、勝ちたい」という思いが強いほど、想定に反して負けたときの悔しさは大きくなります。
よって期待した未来に反した結果になると、悔しさが生まれると考えられます。悔しさの度合いは期待の量に比例です。
負けると悔しい理由2:相手を責められないから
理由その2は『相手を責められないから』です。
もし詐欺など人に騙されるような出来事があったとしたらとても悔しいし、「騙されないようにもっと気を付けておけばよかった」と後悔します。
騙される方も悪いとは言いますが、だました当人が処罰されます。相手が捕まると、多少溜飲が下がりますね。
将棋で負けて悔しい場合についてはどうかといいますと、正々堂々と戦った結果なら、相手を恨んだり、勝った相手が悪いと思うのは全くおかしなことです。
自分の指した手が相手を上回らなかったことが原因ですから、全て自分に返ってきます。
また負けたー!舞桂ねえちゃんが手加減しないのが悪い!
あんたねぇ・・。
負けると悔しい理由3:自分の弱さを認めることだから
トランプなどの遊びなら、負けても不確定な要素に原因を求めることが出来ます。「最初に配られたカードがよくなかった」「運が悪かった」など。
でも将棋は情報が全て公開されているため、運のせいには出来ません。「負けました」と宣言するのは「私の方が弱かったです」と自分の弱さを認めることになります。だから悔しいと考えられます。
あるとき、先輩との会話の中で将棋の話題が出たことがありました。先輩は「負けるとわかっている分野で俺は戦わない(=将棋はしない)」と言っていました。
確かにその考え方は合理的だと思います。中国の『孫子の兵法』の中にも「勝算がなければ戦わないこと」という記述があります。
でも将棋は趣味だから、別に命がかかっているわけではありません。「負けると悔しいからやりたくない」そういうことなのかもしれません。
負けると悔しい理由4:人間は優越を求める生き物だから
最後の4つ目は心理学になりますが、そもそも人間は「優越を求める生き物だから」と言えます。
心理学者で有名なアドラーは、人間を動かしているのは「優越を求める心」だと言いました。
- テストで一番を取ったら、偉くなった気分になる
- 50m走で友達より速く走れたら誇らしい
- 「お給料が上がった」は嬉しいですが、周囲の中で一番上がったとなればもっと嬉しい
「勉強も運動も、勝ち負けは気にしない」という人はそれらに価値を置いていない人なのかもしれません。価値を置いていることに対して人よりもいい評価を受けたら、やった!と思わないでしょうか?
逆に自分の弱点や欠点を指摘されるのは好きではありません。「上司から間違いを指摘される」「学校で先生から叱られる」のは大人も子供も嫌なことです。
でも「間違いを指摘される」「叱られる」ことがなかったら、自分の欠点に気づかないし、成長もしません。
それに会社の上司や学校の先生が指導するのは「その人によくなって欲しいから」という思いが込められている場合がほとんどです。
でも負けたり、叱られたりはかっこ悪いな…。
何言ってるの。チャンスじゃない?それをこれから見てみましょう。
負けを認めることで得られる利点
これまで「負けて悔しいのはなぜ?」について説明してきました。
は成り立つと思いますが、
でしょうか?
そんなことはありません。
ここからは、負けを認めることで得られる利点を3つ解説していきます。
その3つはこちらです。
- 人のせいにしなくなる(自分の行為に目が向く)
- 謙虚になる
- 忍耐力がつく
負けを認めることの利点1:人のせいにしなくなる(自分の行為に目が向く)
詐欺の話に戻りますが、もし人にだまされたときに「犯人が100%悪い」と考えると、自分の行動は改善しません。(もちろん人をだます行為は100%悪いです)
だまされた自分も悪い所があった「これからはもっと気を付けるようにしよう」と思えば行動が改善され、次に同じ石でつまづくことは減ります。
将棋で負けた時、負けた原因は100%自分にあるのですから、どこが悪かったのか確認して指し手を改善していけばぐんぐん上達していきます。「自分の行為に目が向く」はそれだけ大切なことですね。
また、将棋で「負けを認め、改善していくことが出来る」人は、将棋以外でもいいことがいっぱいあるんです。
失敗しても、「自分の行動を改善して努力すれば、また事態は好転していく」という思考で生きていけるから自暴自棄になりません。だって未来は自分で変えられるのですから。
舞桂ねえちゃんのせいにしてごめんよ。将棋もっと頑張るよ。
その心がけね!
負けを認めることの利点2:謙虚になる
弱い相手だと認識すると、相手を下に見て油断して負けることがあります。
例え相手の棋力が自分より下でも、「最善を尽くそう」という挑戦の気持ちで向かえば、油断しませんし、上から目線にもなりません。
それに、自分が負けて悔しい経験があるほど、負けたときは相手も悔しいのだと人を思いやる心も出てきて謙虚になります。そんなときは感想戦でどこをどう指せばよかったか一緒に考えてみましょう。
謙虚というのは、控えめな人ということではなくて、自分のことを理解している人と言い換えることも出来ます。
- 「あなたは間違えたが、私は間違えない人間」は横柄な人。
- 「あなたは間違えたが、私も間違える人間」は謙虚な人の思考です。だから日々努力を怠りません。
それに謙虚な気持ちで対局に臨むと、負けたときの悔しさも幾分か減ります。
負けを認めることの利点3:忍耐力がつく
負けを認めることは確かに楽なことではありません。でも一つ一つ改善していくと、忍耐力がつきます。
忍耐はただ「うーんうーん」と我慢することではなく、あとで大きく伸びるための下準備をすることです。
- 「真冬の山にこもって将棋合宿をして勝つまで帰ってこない」のは我慢比べ
- 「結果が出ていない状態でもあきらめずに努力を続けること」が忍耐です。
えいっ!(しゃがむ)
何してるの?(上から覗き込む)
伸びる準備!(ジャンプ!)
はうっ!(頭突きダメージ100)
将棋の振り返りで、棋譜解析もおすすめです。
負けた時は全ての指し手が悪かったように感じますが、棋譜解析すると実は悪手がほんの一部分だけだったりすることも多いです。
昇級・昇段という結果ではありませんが、一局の中で少し自分の成長が感じられることもあります。
・棋譜解析の記事はこちら
負けて悔しくてどうにもならなくなったら
ここまで記事を読んで頂いて「確かにそうだなぁ」と思っていただけたらとても幸いです。でも人間だからどうしても負けて悔しくて我慢ならぬ時もありますね。
嫌なことが重なれば、余裕もなくなるし、何もしたくなくなります。理性でコントロールできないときだってあります。
そんなときに実施した方がよいことを次に記載しました。
実際、将棋ウォーズというオンライン対戦アプリでは級位者は負け越している人が多いです。
私も3級以下のときは将棋ウォーズの毎月の勝敗は必ず負け越しでした。2級~1級くらいになってようやく勝ち負けが並ぶか、勝ち越しが出来るようになってきました。
すぐに実施した方がよいこと
将棋で負けて悔しくてどうにもならない時、すぐに実施すべきは「将棋を出来ない状態にすること」です。
(私の場合は、将棋ウォーズであれば課金していないので3局まで、とストッパーをかけています)
手にくっついている、そのスマホをまず離すことが最優先です。心のままに任せていると、身体が勝手に次の対局開始ボタンを押してしまいます。
将棋も負けて熱くなってしまうと、勝つまで(勝ったとしても納得いくまで)差し続けてしまうので、そんな時は出来ないようにしてしまうのが一番です。
舞桂隊長!爆弾がそこにあります!
緊急避難!とにかくその場から離れるのよ!
その後に周囲を見渡すと、ちょっと現実に戻ります。
- 壁にかけてある時計が見える(・・もう22時だ)
- テーブルの上のお皿が見える。(・・そろそろ片付けよう)
少し落ち着けば、
- 負け越しても、「何か実害があるわけでもないし」
- 達成率が下がっても、「またやればいいし」
と思えるようになってきます。
落ち着いたら実施した方がよいこと
しばらくして落ち着いたら、将棋と関係ないことをするのがおすすめです。現実の世界でマイナスにならない手を指すのはもっとよいです。私の場合だと、食器洗い、掃除、整理整頓など。
なぜいいかというと
- 「片づける」行為をすることで、心が整理されていく
- 意味のある時間を過ごすことができる
からです。過去の時間は取り返せないので今から仕切り直しちゃいましょう。あまり時間はかけていませんが、ちょっと整理するだけでもだいぶ気持ちが変わります。
ぜひおすすめの一手です!
負けると悔しいのはなぜ?まとめ
この記事では、
- 負けると悔しい理由4つ
- 負けを認めることの利点3つ
- 負けて悔しくてどうにもならなくなったら
を解説しました。
将棋は勝ち負けが明確に現れてしまうので、心のアップダウンがやや大きいです。でも自分の行動の振り返りが身につけば、人生にとってもプラスの一手になることは間違いないです。
ぜひ始めてみてくださいね!
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