将棋の専門用語って独特な言い回しをするものがあります。例えば、
- 「手が辛い」って手にカラシでもぬってるの?
- 「将棋を打つ」とは言いません。(「指す」と言います)
- 「これはやってこいですね」→なにを!?
同時に、読み方がわからない用語もたくさんあります。
この記事では「好手・悪手の読み方」「そもそも悪手ってなに?」という疑問、最後に「悪手をへらす方法」を紹介します。
先に結論をお伝えしますと、
・悪手とは「悪い手」のこと。「改善したほうが良い手」とは実は異なります
・悪手を減らす方法は、強い人に教えてもらうのが一番のおすすめ方法です
将棋をこれから始めてみようかな、強くなりたいな、という方はぜひ参考にしてみてください。
一歩進んでみると、新しい世界が広がっていたりします
好手・悪手の読み方
好手、悪手の読み方は次の通りです。
〔読み方〕こうしゅ。
〔意味〕素晴らしい一手。普通考えつかないが、先を読んだ手だなぁと感心する一手。
羽生善治九段が加藤一二三九段との対局で指した「5二銀」も有名な好手です。
〔読み方〕あくしゅ。
〔意味〕文字通り、悪い一手。指した後に「あ!」と声を上げたらほぼ悪手です。
2023年6月6日の朝のテレビ番組で、好手・悪手の意味を解説する場面がありました。↓
「悪手は、悪い手」
と聞き、簡潔で大変わかり易いと感じました。
そもそも悪手ってなに?
悪手の意味は先ほど簡単に説明しましたが、もう少し深掘りします。
一局の将棋を将棋ソフトで棋譜解析すると、一手一手を点数で評価してくれます。悪手を指すとマイナス何百点、マイナス何千点とか。
正確に計算してくれるのはいいのですが、どの手を改善したらいいのかよくわからなくなることがあります。
特に初心者・級位者が自分の将棋を棋譜解析すると、真っ赤に採点されて返ってくるので、私は「全部直せってこと!?」とパソコンにツッコミを入れたこともありました。
一例として、私が対局した将棋を棋譜解析したものを示します。(第1図)
「赤色の▲」が悪手、「だいだい色の▲」があまり良くない手(疑問手)です。
第1図.棋譜解析結果(評価値グラフ)
将棋ソフトは指し手を数字で絶対評価します。初心者・級位者はどうしても悪手ばかり指してしまいます(仕方ないことですが)。
でもコンピュータが判断した「悪手」と「改善したほうが良い手」というのは人によって異なります。
例えば、
レベルが高すぎてアマチュアにとっては候補手の五本の指(=好手)に入ることもあります。
でも改善したほうがいいのはこの一手とこの一手。一局の中で2つも直せれば上々です。
よって初心者のあなたの場合はここを直そうとか、級位者のあなたの場合はこうしようとか、強さや人によってもアドバイスの仕方はぜんぜん違います。
- 初心者であれば「ただで駒を取られないようにしよう」とか、
- 級位者であれば「相手の狙いを読んで攻めてみよう」とか、
- 本気で強くなりたい人には厳しく教えるかもしれませんし、
- 楽しみたい人には「指して楽しかった!」となるように教える場合もあります。
悪手を減らすのに一番いい方法は、将棋ソフトに聞くのもいいのですが「ここはポイント!」を自分より強い人から教えてもらうのが一番のおすすめです。
それが好手ってことだね。
そんな使い方もするわね!
もちろん「将棋ソフトは悪い」ということではありません。大事なのは使い方です。
将棋ソフトの使い方の記事もよかったら参考にしてください。
悪手を減らす方法
日々の
- 棋譜並べ
- 次の一手問題
- 詰将棋
なども悪手を減らすための大切な上達方法です。
でも先程述べた「ここはポイント!」を自分より強い人から教えてもらうのが、私の一番のおすすめ方法です。
主な理由は2つ。
- 一番のポイントを1つまたは2つにしぼって教えてくれる
- 大ざっぱにも教えてくれる
一番のポイントを1つまたは2つにしぼって教えてくれる
私の場合、将棋ソフトに聞くと赤くなった悪手がたくさん出てくるので、何を直したらいいのかよくわからないことがあります。
人間なら一番のポイントを1つまたは2つにしぼって教えてくれます。
他にも悪手はあるだろうけど、枝葉末節の部分は切り捨ててくれるので、そういう意味で「将棋教室に通う」や「指導対局を受ける」はおすすめです。
大ざっぱにも教えてくれる
私は将棋サロンの先生にときどき棋譜を見てもらっています。
棋力の高い人が棋譜を見れば大事なところがわかるので、大ざっぱな方針も教えてくれます。
- もう少し受けを重視した方がいい
- 大駒を切るくせがあるから駒の損得に気をつけた方がいい
私は以前、記録した棋譜を3枚見て頂いて以下のことを教わりました。
- 相振り飛車のとき、向かい飛車か三間飛車がおすすめ。四間飛車は相手の王様から遠いので勝ちにくい
- 囲いは金無双、端歩を受けないで攻めに1手使った方がいい場合も
最近の将棋は第2図のように駒組みしています。
第2図.序盤の駒組み
このようなアドバイスは、現時点で将棋ソフトでは難しいです。なぜなら感覚的な内容だからです。
感情を読むAIも最近開発されつつあるようですが、空気を読むことはまだまだ難しいのではないでしょうか。(人間でも難しいですけど・・)
相手の性格、その人の状況、どれくらい成長したいのか?などを感じ取って「相手が伸びるためにどんなアドバイスをしたらいいか?」を考える。
これは人間にしか出来ないことだと思います。
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好手・悪手の読み方まとめ
この記事では、
- 好手・悪手の読み方
- そもそも悪手ってなに?
- 悪手を減らす方法
について解説しました。
私は2023年5月、6月と将棋会館で指導対局を受けてきました。特別な環境で将棋を指すと脳裏に焼き付いて忘れないので、おすすめの一手です。
行ってみようかな。。
モチベーションアップにもおすすめ!
・指導対局の記事はこちら
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